コラム
「第8回事業再構築補助金」の採択結果を振り返る
2023年4月6日に第8回事業再構築補助金の採択結果の発表がありました。申請は全体で12,591者の応募があり、6,456者が採択されました。(採択率は6,456/12,591=約51%)
事務局より「公募結果の概要」が公表されていますので、注目すべき点などを確認していきたいと思います。
申請枠と採択結果の相関関係
全体の採択率は約51%ですが、申請枠毎の採択率は、
- 通常枠 3,562/7,261=約49%
- 大規模賃金引上枠 4/8=50%
- 回復・再生応援枠 879/1,522=約58%
- 最低賃金枠 117/165=約71%
- グリーン成長枠 173/434=約40%
- 緊急対策枠 1,721/3,201=約54%
さらに、申請枠毎の申請件数を考慮して、「採択率」と「申請数」の2軸でポジショニングを整理してみると、下記のイメージとなりました。
申請数の少ない「大規模賃金引上枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」を除外してボリュームゾーンを考えると、一般的な申請では、「回復・再生応援枠」>「緊急対策枠」>「通常枠」の採択率結果となっています。
業種別の応募と採択割合について
業種別の応募割合・採択割合では、特に製造業、卸売・小売業、宿泊業・飲食サービス業が多いことがわかります。一方その他の業種についても幅広い業種で応募・採択されていることがわかります。
応募金額・採択金額の分布について
応募金額及び採択金額の分布では、100万~1,500万円が最も多く、全体の4割強となっています。「回復・再生応援枠」や「緊急対策枠」が多数の事業者に選択された影響もあるのではないかと思います。
まとめ
事業再構築補助金は、申請枠により応募のバラつきや採択率のバラつきがあることが見て取れます。
どの申請枠を選択するかの判断が採択と不採択の分かれ道となる可能性も十分にあるということです。
令和5年3月30日より公募が開始された第10回事業再構築補助金から、申請枠や補助上限額・補助率、要件などが大きく見直されました。
自社の人員規模・事業再構築の取組・補助対象経費の規模など総合的に考えて、どの申請枠に応募すべきか、しっかり見極めたうえでプランニングを進めたいものです。